俳句吟行記(平成22年)

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沖縄吟行 10.12.10-12.12
平成22年度伊吹嶺オフ句会 10.10.31-11.1 伊吹嶺HPに掲載しています
第3回「伊吹嶺」俳句鍛錬会 10.5.18-19 伊吹嶺HPに掲載しています
神代植物園・深大寺吟行 10.2.24 伊吹嶺HPに掲載しています
寒天干し吟行 10.1.17

    沖縄吟行(10.12.10-12.12)
 栗田主宰から、イッペー句会があるから、参加したらとお誘いがあったので、喜んで参加させていただいた。沖縄では砂川紀子さんが句会立ち上げに一生懸命なさり、今は数名の参加者がいる。
 10日の1日目は午後に那覇に着いたこともあり、首里城周辺をキャリーバックを引きずりながら吟行。午後にはすぐ、イッペー句会に参加。ほとんどが初対面だが、優しい歓迎で和む。参加者は栗田ご夫妻を入れて11名。今日は時間がたっぷりあったので、栗田主宰から1句ずつ懇切丁寧に句評していただく。こういう句会だと、初めて聞く言葉、季語も多くて、勉強になる。しかしこれから「伊吹嶺」では誰でも出かける機会が多くなると思うので、沖縄特有の季語などが分かるとよいと思った。
 11日の2日目は車2台であちこち案内していただく。屋良城址、唐人墓碑、闘牛場跡、仲泊遺跡(貝塚、宿道、魚見台、古戦場跡など)と日頃誰も行かないところを案内していただく。栗田ご夫妻もほとんど始めてということであった。途中屋良城址へ向かう途中、道の駅の展望台に立つと、嘉手納基地が目の前に現れる。まさにすべて基地である。闘牛場跡は昔栗田先生が〈灼けし土蹴上げて牛の身構ふる やすし〉と詠んだところである。今日は那覇に戻るのが結構遅くなったので、句会は明日まとめて行うことにする。
 12日の3日目は南部へ行き、甘蔗畑、奥武島へ行く。サトウキビはまだ収穫時期に入っておらず、甘蔗の花が日差しに煌めいていた。また奥武島は本当は烏賊干しを見せていただく予定だったが、どうも収穫時期に入っていなかった。ただ偶然であったが、本島と島をつなぐ六代目の橋の開通式が行われており、思わぬ収穫であった。昼は久高島がよく見えるレストランで昼食と句会を行う。
 三日間、イッペー句会の皆さんには大変お世話になった。このHPでお礼を申し上げます。以下は吟行写真と句会の一句です。


久高島をバックに

第1回句会

三段花


元領事館のレストランで


屋良城址の沼(ムルチ)

同・ムルチで


トボロチの花

唐人墓の前で


仲泊遺跡(魚見台)で

石川の闘牛場跡


日に輝く甘蔗の花

甘蔗畑の前で

奥武島のハーリー船

奥武島橋開通式典での琉球舞踊

かすかに久高島が見える

句会の1句(順不同)
初冬や日暮れの浜に荒き波  
国吉 綾子
神体は石にておはす赤木の実 儀間千恵子
小夏日やニライカナイへ続く拝所 平良喜美子
小鳥来て唐辛子の実啄めり  
手登根博子
短日の荷役急げり離島便 平 千花子
闘牛場跡にこぼるる榕樹の実 砂川 紀子
トボロチの花青空を彩れり 国枝 洋子
乾きたる風吹く日和甘蔗を植う 国枝 隆生
甘蔗の花やはらかし牛生まる 栗田せつ子
御願所に石の龍神榕樹の実 栗田やすし


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    寒天干し吟行(10.1.17)
 新年俳句大会の翌日、関東の皆さんと地元メンバーを含めて12名が山岡町の寒天干し吟行に出かけた。当初予定していた関東の2名は急遽体調を崩して欠席だったが、今回いぶきネット句会に入会していただいたばかりの戸田さんにも参加していただき感謝。
 寒天干しは晴れていて寒さが厳しいほど最適と言うが、今日はまさにそんな日となった。朝早く7時30分に多治見駅に集合して出発。最初の寒天田に着いたときの気温は-7℃でさすがに寒い。寒天夫さんに聞くと今朝仕事を始めたときは-11℃だったそうだ。田んぼには霜の花がびっしり咲いている。皆さん思い思いに散策するがとにかく寒い。ゆっくりと2個所の寒天田を見たあと、岩村町の蕎麦処「ゆい」で昼食。その後、岩村城址に出かけたかったが、道路が凍結しているため、街中のみを散策。句会は「ゆい」と地続きの旧勝川邸の座敷を借りて行う。蔵などは岩村城をそのまま移設してきたという由緒ある旧家なので屋敷を傷つけないよう注意しながらの句会。
 句会の成果は私を除いて皆さんよい成績。なお以下に参加の皆さんの感想をお願いしてあるので、随時以下に紹介します。また当日の写真、句会の1句も掲載します。(順不同)

佐藤一斎の
 以春風接人 以秋霜自粛
を座右の銘にしてきて 中々そうはいかない人生でしたが寒天干し吟行の後銘酒女城主で有名な岩村の城下町ではハッとしました
岩村で幕末の儒者、佐藤一斎に会える?とは思いもしませんでした
佐藤一斎の言志録は有名で一部分ながら座右の銘として来たりしたので この町の家老の次男坊だったんだと遥々訪ねたような感動でした
あんな田舎?ですが佐藤一斎は岩村藩の江戸藩邸で生まれて育ったのでずーっと東京の人だったんですね
今湯島聖堂があるところの昌平坂学問所、後の東大のもとになっていくところで全国各藩の秀才たちと学問に励み儒学の朱子学と陽明学を纏め後に33歳で師弟3000人の総長になった。 
幕末に活躍した渡邊崋山、佐久間象山、横井小楠などを育てた
 
少にして学べば壮にして大を為す
壮にして学べば則ち老いて衰えず
老いて学べば死して朽ちず
 
と教えられたのですが 中々そうはいかない人生でした
 
提一灯      一灯を提げ
行暗夜      暗夜を行く
勿憂暗夜    暗夜を憂えるなかれ
只頼一灯    ひたすら一灯を頼れ
 
人生は一寸先が闇。暗闇を行くが如し
ただこの一灯を提げ一灯を頼りに行けば
暗夜も憂えることはない
 
一灯とは学問そして智慧でしょうかパスカルのパンセにある
 
人間は考える葦である
 
に通ずることをあの山城の家老の次男坊が考えていたのですね。 
佐藤一斎の言志録は西郷隆盛の愛読書でした
  一灯拝

昨日の吟行 急遽お仲間に入れて頂き、ありがとうございました。
ネットの皆様の観察力、集中力には脱帽です。
担当の幹事さんの細やかな下調べ、時間の配分の確かさ、参加者に対する心遣い...
熱心すぎると自己中心になりやすいのにとても思い合い!温かい!
同士の絆の強さがビシビシ伝わり、とてもすばらしい体験をさせて頂きました。
作品の出来・不出来は自分持ち、何とかまとめなくては...と思っています。
機会がありましたら、又ご指導くださいませ。
               岸本典子

寒天干し吟行の素晴らしい写真と御句を、欠席の私にまで届けてくださり、本当にありがとうございました。
臨情感がひしひしと伝わってきます。(行きたかった!!)
体調も少しずつ回復してきました。
ご心配とご面倒をおかけして、本当に申し訳ありませんでした。
今年は心身ともに健康第一を目指したいと思います。
またご一緒に吟行できる機会を楽しみにして。
  感謝して  みすず

連日の遊び疲れでへたって居りました。一灯さんの早速のお写真から範子さんの吟行会報とそして皆様のメールと精力的な皆様のパワーを頂き今日ようやく元気を取り戻しました。
何度も下見をして見事な行程を企画してくださった孝子さん、そして会計、句会の雑用、資料の作成、などなどをお世話くださった範子さん、急遽参加くださった戸田さん、岸本さん、新年大会とお疲れのところ参加の皆様、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
「寒天造る」の句が伊吹嶺誌を飾るのを楽しみに待っております。
光晴さん、みすずさん、とみおさん、早くお元気になられますよう、、、、。
     坪野洋子

中部のみなさまこの度は大変お世話になりました。行き届いたおもてなしにこのメールをお借りしてお礼申し上げます。
 バスの中で零下7度と聞いたときびっくりしましたが身の引き締まる思いで寒天作業を見学できすばらしい体験でした。お昼はおいしいおそばと大吟醸までいただき至れり尽くせりで大感謝です。
また皆様とお会いしたく江ノ島鍛錬会には是非お出かけ下さい。
                  昭一

ご参加の皆様 おはようございます。 
昨日ははじめての句会に参加させていただき、大変勉強並びに刺激、感激になりました。同じ現場を見ながら、自分にはできない先輩諸氏のすばらしい句に接することができ、俳句の奥の一端を体験でき、ほんとに参加させていただいたことに感謝しています。
 ありがとうございました。こんごともよろしくお願いいたします。                   
 追伸 おみやげの「女城主」(古酒)を飲み、ばったん休でした。
      戸田ただし

 昨日は有難うございました。
 一度尋ねて見たいところでしたので大感激でした。
体調が今ひとつでご迷惑おかけいたしましたが、
 昼食をとり少し落ち着いてまいりました、
  ご休心くださいませ。有難うございました。
            佐藤とみお

 お天気にも恵まれ、楽しい吟行会になりました。 関東勢と 益々 親しくさせていただけるようになり、 嬉しいですねぇ〜〜
 一灯さん 写真を有難うございました。 森垣さん とみおさん 素敵な句を見せていただけて、刺激を頂きました。
 あきをさん 今日子さん 沖縄から、お酒付きのご縁がありますね。
 これからも、宜しくお願いします。 
 みすずさん・ 武藤さん 若くないんですから、無理しないように・・・・
 今日は、美味しいお酒がいただけましたよ。 次回は、是非 ご一緒に。
  まだまだ 寒い日が続きます。 皆様 ご自愛下さい。 
   孝子

新年大会に続き2日間お世話様になり有り難う御座いました。はじめて見る光景にすっかり心奪われ何も俳句になりませんでした。たくさんの句材と皆様
の佳句に触れることが出来ましたこと感謝しております。あとは自身の整理が楽しみでもあり苦しみでもあります。どうぞお疲れのでませぬよう御自愛下さい。 
  三井あきを

この度の寒天田吟行に際しましては、早朝より皆様に大変お世話様になりました。 
生まれて初めて、寒天の作業や、杜氏の方たちのお仕事を拝見させていただき、また、岩村城下の閑静な佇まいに深い感銘を受けて帰路につきました。
 帰りにはお土産まで頂き、厚く御礼申し上げます。 
本当に有難うございました。
       横森 今日子

みなさまへ
ご心配を掛けました。本当に10年ぶりに熱を出しました。もう食欲も戻りましたので大丈夫と思います。
素晴らしい天気で良かったですね。私は参加できませんでしたが、寒天作業の佳句を多く見せて頂けると大いに期待しております。
また、お会いできる時を楽しみにしています。
          光リ

寒天田・岩村吟行の皆さま
おはようございます!昨日は早朝より一日お疲れ様でした。
絶好のお天気に恵まれ、寒天突き、削氷の氷撒き、天草茹でなど、実際に作業も見学できて、良かったですね。お天気は皆さんの日頃のお心がけの賜物です!
みすずさん、光晴さん、ご体調は戻られましたか?またの機会に是非ご一緒できればと思います。
戸田さん 岸本さん 急なお誘いにも快く参加していただき有り難うございました。 
おかげで賑やかな吟行になり、感謝申し上げます。
名句佳句が沢山誕生しましたが、お一人一句ずつの句会報をお届けします。
間違いがあればお報せ下さい。
岩村の投句箱に投句なさった方は、入選者には岩村俳句会より句会報が送られると思います。お楽しみに。
   伊藤範子

新年大会 吟行会のお疲れはとれましたでしょうか?
一面雪景色の寒天田はすばらしかったですね。でも、出稼ぎの方もおられるという 寒天夫の方々の作業は厳しそうでしたね。
寒天夫の方々は張り切ってやっておられましたが 見学しているのが申し訳ないような・・・そんな気持ちでした。
 こっそり持っていったのじゃなくて 主人からもらったお酒 喜んでもらえてうれしかったです。あきをさんにはお酒の句素敵に詠んでもらえましたし〜
 楽しくて思い出に残る吟行会でした。ありがとうございました。
                          玉井美智子



寒天田は-7℃

真っ白に凍っている寒天

田んぼに咲いた霜の花

寒天を突いているところ

見ていても寒そう

日陰はことさら寒い

寒天小屋で煮た天草を漉しているところ

昼の熱燗と五平餅がうまい

千石の酒眠らせて蔵冴ゆる

2間の座敷を抜いて句会。

今日の1句
千石の酒眠らせて蔵冴ゆる 矢野 孝子
温度計見つめ田に入る寒天夫 森垣 昭一
庭に干す凍て極まりし漉袋 岸本 典子
恵那山の風に寒天晒しけり 横森今日子
薄氷の影や川底移りゆく 戸田  忠
恵那晴れて霜野眩しき峡の里 中野 一灯
まだみどり残す寒天揃へ干す 国枝 隆生
恵那晴れて輝き増せり寒天田 玉井美智子
ふくよかな紺屋のおかみ冬うらら 佐藤とみお
息白し秋田訛の寒天夫 坪野 洋子
初句会金箔の酒飲みあへり 三井あきを
恵那晴れて高き川音寒天干す 伊藤 範子

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