平成20年度の「伊吹嶺」全国俳句大会が10月5日に岐阜グランドホテルで開催された。
今年から日帰り大会になり、吟行もなく、純粋の大会になったが、参加者は200名を超える盛会であった。
一方、インターネット関係では前日から、吟行、句会も行い、この行事に合わせることとした。他に各個人、グループ毎に当日午前に吟行する方も見かけた。
大会では栗田主宰は挨拶で次の3つを強調された。
①創刊以来のことであるが、「伊吹嶺」ではいち早く、インターネットを一つの軸として続けてきた。これはかなり先進的なことであると思うが、今後「伊吹嶺」のインターネットは地球規模で拡げていきたい。これは世界中に広がっている日本人による、日本語による俳句で「伊吹嶺」を発展させていきたい。
②よく俳句は感動を詠むものと言われているが、感動を詠む一つ前の段階である「ときめく心」を持って俳句に向かっていって欲しい。「ときめく心」が重要だと思っている。
③「伊吹嶺」は10年過ぎたが、あくまで「風」の俳句を継承することが基本である。このことは忘れないで即物具象に心がけて欲しい。
と力強く挨拶された。
インターネット関係の会員は「風」の俳句を知らない方もいるが、インターネットであっても即物具象を基本としてインターネットを運営していく必要があるのだろう。
同人会長さんなどの挨拶、総会後、新同人発表がなされた。今年の新同人は
磯田なつえさん、伊藤範子さん、内田陽子さん、小田二三枝さん、兼松秀さん、岸本典子さん、野島秀子さん、廣島幸子さん、牧啓子さん、八尋樹炎さん、山本光江さんの11名である。特にこの時、栗田主宰は、鈴木みや子さんが体調の優れないにもかかわらず、新同人2名を育てられた事に対して、感謝の気持でみや子さんに挨拶を促された。みや子さんも感動されたと思う。
次に今年の「伊吹嶺」賞の河原地英武さん、新人賞の伊藤範子さんの表彰も行われた。
第2部は俳句大会後、今年のご講演は「青山」主宰で俳人協会名誉会員の山崎ひさを先生で「栗田主宰の俳句を語る」でこれまで「青山」の珠玉集に取り上げた栗田主宰の句を鑑賞していただいた。日頃、私達は栗田主宰の句を身近に読んでいるが、外部から見ると別の鑑賞方法があることに気付かせていただいた。私達ももっと広い視野で鑑賞する必要があることに納得した。また〈鵜の川に足浸しをり廣島忌〉や〈ふち焦げて原爆の日の目玉焼〉など社会性の視点もあること、これに続く句としては〈靖国の靖は我が名敗戦忌〉、〈我が名ある父の遺書読む敗戦忌〉と敗戦忌に対する主宰の気持もしっかり鑑賞していただいた。山崎先生の講演は初めてお聞きするが、ご自身の俳句と同様に簡明なご講演であった。
第3部は懇親会で、200名の皆さんに挨拶はとても出来ず、失礼した方も多かった。一番遠来の沖縄の2名の方も「伊吹嶺」の結束の強さを感想に述べておられた。
大会後、インターネット関係メンバーが雑談していたところへ、栗田主宰と共に、山崎先生も一緒に話の輪に入っていただき、気さくな方と一同感動した。また俳誌でインターネットを行うことは経費も人手もかかることをよくご存じで、ねぎらっていただいた。
今回の大会記はややインターネットに片寄った書き方で申し訳なかったと思う。
以下は大会模様の写真と栗田主宰の選結果です。(文責:国枝 隆生)